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ARTICLE / 読書・ホビー

書けない日は、文章術を増やさない。TikTokで見つけた「音・現場・日常」の3冊

公開日:2026.10.05 更新日:2026.10.05カテゴリー:読書・ホビー目的別:未設定

赤ペンと原稿用紙の上に文章・コピー・日記エッセイの本3冊を並べた、書く感覚を別の角度から見つめる記事のサムネイル

書きたいのに、言葉が出てこない。そんなとき、文章術をもう一冊読んで「正しい書き方」だけ頭に足すと、かえって手が止まることがあります。

今回はTikTokで本を紹介する ほんよも💬誰かに語りたい本紹介(@hon_yomoze) の投稿から、書くことを別の角度で見せてくれる3冊を選びました。文章を音として聞き直す本、コピーが生まれる現場を描く漫画、何気ない日常を掘り下げるエッセイです。

文法や構成の型を増やす前に、「音を聞く」「仕事を見る」「日常を掘る」。書く材料や感覚は、文章術の外側にもあります。

書けない理由から、刺激を受ける場所を選ぶ

RHYTHMいい音がする文章リズム・声
CRAFTゾワワの神様制作現場・表現
OBSERVE納税、のち、ヘラクレスメス日常・思考
RHYTHM / CRAFT / OBSERVE書く材料は、文章術の外にもある。

文章が硬く感じるならリズムを聞く。何を作ればいいか迷うなら制作現場を見る。書くネタが浮かばないなら、身近なことを深く考える。3冊は、同じ悩みに同じ答えを返す本ではありません。

① 『いい音がする文章』|「分かりやすさ」の前に、自分の文章を声に出す

文章を書くと、意味が伝わるか、論理が通っているか、語彙が適切かを気にしがちです。高橋久美子さんの『いい音がする文章 あなたの感性が爆発する書き方』が提示するのは、もうひとつの問い。その文章は、いい音がするか。

ダイヤモンド社は、文章を論理や語彙だけでなく「音」から見る発想を、本書の入口として紹介しています。小説、エッセイ、詩、教科書、歌詞、絵本、コピー、SNSなど幅広い文章を題材に、言葉のビートやリズムを考えていきます。

MEANING → SOUND → RHYTHM
何が書かれているかを読む。次に、どう響くかを聞く。声に出すと、言葉の並びや息継ぎの位置が違って見えてきます。

「音」という抽象的な話だけで終わらず、説明の仕方、大きすぎる言葉の扱い、違和感の残し方、書きすぎないこと、自分の言葉を探すことなど、実際の文章作りにも触れます。論理を捨てるのではなく、意味に加えて響きにも目を向ける一冊です。

著者は元チャットモンチーのドラマー兼作詞担当で、現在は作家・作詞家・詩人として活動しています。音楽と言葉の両方を作ってきた経験が、「文章のリズム」を具体的に考える内容につながっています。2025年1月刊、314ページ。

書くほど自分の文章が似た調子になってしまう。そんなとき、語彙を増やす前に一度声に出してみる。その耳を育てたい人に向く本です。

『いい音がする文章』をチェック →

② 『ゾワワの神様』|コピーの型より、人の心を動かす仕事の現場を見る

舞台は広告会社。主人公は、ゾワッとする映像や物語を作りたい新人コピーライターです。先輩や同期、得意先と関わりながら、仕事のなかでものづくりを学んでいきます。

これは「うまいコピーの作り方」を並べる本ではありません。誰かの表現に圧倒される瞬間、修正を受けて考え直す時間、人と比べて悩みながらも作り続ける日々。人の心を動かすものが生まれる現場を、漫画で追える作品です。

IDEA → WORK → ZOWAWA
思いつきを形にする。人に見せ、反応を受け、また手を入れる。その先にある「ゾワワ」とする感覚が、作品の合言葉です。

作者のうえはらけいたさんは、博報堂でコピーライターとして働いた経験があり、広告の仕事を描く本作にも自身の体験が一部盛り込まれています。理想だけでなく、うまくいかない時間や人とのやりとりまで含めて読めるのが魅力です。

文章論の本を読む気力がない日でも、現場の会話や登場人物の表情から入れる。仕事の中で誰かのアウトプットに刺激を受ける感覚を読みたいときに、手に取りやすい漫画です。2023年刊、FEELコミックス、192ページ。

書き方を教わるより、何かを作っている人の仕事を見たい。制作意欲から刺激を受けたい人に。

『ゾワワの神様』をチェック →

③ 『納税、のち、ヘラクレスメス』|何でもない日常を、どこまで考えられるか

品田遊さんの『納税、のち、ヘラクレスメス のべつ考える日々』は、2000日を超える日記を土台にしたエッセイ集の第2弾です。朝日新聞出版によると、日常のあれこれを考え続けた文章に加えて、古賀及子さんとの対談も収録されています。

大きな事件や特別な体験がなくても、目の前のものをどこまで考えられるか。タイトルの「納税」と「ヘラクレスメス」のように、一見遠く見える言葉や出来事を、思考でつないでいく面白さがあります。

EVERYDAY → OBSERVE → WRITE
日常にあるものを見る。そこから連想を伸ばす。何でもない一日が、文章の入口に変わります。

元のTikTok投稿では、日記なのにどこから開いても面白く、日常を深く掘り下げている本として紹介されています。長い物語の筋を追うのではなく、数ページ読んで少し考え、また別の日に開く。気負わず読み進めやすいエッセイです。

2024年9月刊、320ページ。書くテーマを探す前に、観察の深さを変えてみたい。「これも書いていいんだ」と思える材料を増やしたい人に合います。

『納税、のち、ヘラクレスメス』をチェック →

3冊は「文章力」の違う部分を刺激する

RHYTHMいい音がする文章文章の鳴り方を見る
CRAFTゾワワの神様人の心を動かす制作を見る
OBSERVE納税、のち、ヘラクレスメス書く材料の見つけ方を変える

今つまっているところから1冊選ぶ

プロのライターに限らず、SNS、ブログ、日記、企画書やプレゼンなど、いまは多くの人が文章を書きます。もっと上手くなるための型を探すだけでなく、もう少し自分の言葉で書きたいと感じたときにも、この3冊は違う入口を見せてくれます。

文章術を増やす前に、別の場所から刺激を受ける

音を聞く。作る現場を見る。日常を掘る。書きたいのに言葉が出てこない日は、文章の正しさから少し離れてみる。いちばん気になる入口の本から、ページを開いてみてください。

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