通勤電車の15分で1話ずつ読み切りたい人へ|毎日の行き帰りに読む短編集4選
公開日:2026.11.07 / 更新日:2026.11.07

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朝の電車で座れたら、降りる駅まではだいたい15分から20分。スマホでニュースや動画を眺めているうちに、気づけば乗り換えの駅に着いてしまう。せっかくなら本を読む時間にしたいけれど、長編を読み始めると、いいところで駅に着いてしまい、続きが気になって午前中の仕事に身が入らない。夜の帰り道に続きを読もうとしても、前の場面を思い出すところから始めることになる。
この記事では、電車通勤で毎日15〜20分ほど座れる時間がある会社員に向けて、乗っている間に1話ずつ読み進められる短編集を4冊選びました。1話ごとに物語の世界ががらりと変わるもの、少し怖くて不思議なもの、大人の日常を描いたもの。朝に1話、帰りに1話と区切りよく読めるので、通勤の時間がちょっとした楽しみになります。
TikTokで本を紹介している@kengo_bookさんの『短篇七芒星』の紹介動画。7つの短編を収めた、舞城王太郎さんの短編集です。
もくじ
この記事の結論
- 迷ったら、1話ごとにまったく違うムードを楽しめる『短篇七芒星』
- 少し怖くて不思議な話が好きなら『ZOO 1』
- 海外の小説を気軽に味わいたいなら『カクテル、ラブ、ゾンビ』
- 同じ大人の日常に重ねて読みたいなら『どうしても生きてる』
通勤電車で読む短編集の選び方
1話の長さを、乗っている時間に合わせる
短編集といっても、1話が数ページのものから、何十ページもあるものまでさまざまです。15〜20分の乗車時間なら、1話を1回か2回の乗車で読み切れる長さが目安。行きで読み終えた話の余韻を、会社に着くまでの歩く時間で味わえるくらいがちょうどいいです。
1冊の中で、話ごとに雰囲気が変わるものを選ぶ
毎日同じ時間に読むなら、話ごとにジャンルや雰囲気が違う短編集のほうが飽きずに続けられます。今日は怖い話、明日は切ない話と、次はどんな話だろうと楽しみにしながら電車に乗れます。
朝と帰りで、読む本を分けてもいい
朝は気分を切り替えたい時間、帰りは一日を振り返る時間。同じ短編集を続けて読むのもいいですが、朝は話ごとにムードが変わる本、帰りは大人の日常を描いた本と、時間帯で読む本を分けると、通勤の行き帰りそれぞれに楽しみができます。
通勤電車で1話ずつ読める短編集4選
01|短篇七芒星(講談社文庫)|7つの短編、7つの違うムード
舞城王太郎さんの短編集です。「奏雨」「狙撃」「落下」「雷撃」「代替」「春嵐」「縁起」の7編を収めています。
探偵小説あり、怪談あり、学園恋愛ものありと、話ごとにムードががらりと変わります。それでいて、どの話にも共通するのが、ページをめくる手が止まらなくなる疾走感。乗っている15分があっという間に過ぎていく読み心地です。
収録作の一つ「代替」は、その書き出しがSNSで大きな話題になりました。7編なので、月曜から金曜の朝に1編ずつ読めば、残り2編は週末のお楽しみに。1編ごとに違う世界へ連れていかれる感覚は、毎日同じ電車に乗る通勤の時間に、いい刺激をくれます。
- 著者:舞城王太郎
- 7編を収録した短編集
- 講談社文庫
短篇七芒星 (講談社文庫)
02|ZOO 1(集英社文庫)|少し怖くて不思議な乙一の短編集
乙一さんの短編集『ZOO』を、文庫化にあたって2冊に分けたうちの1冊目です。「カザリとヨーコ」「SEVEN ROOMS」「SO-far そ・ふぁー」「陽だまりの詩」「ZOO」の5編を収めています。
収録された5編は、2005年に映画にもなりました。どの話も、日常のすぐ隣にある少し怖くて不思議な世界を描いていて、読み終えたあとにしばらく考えこんでしまうような余韻があります。朝の電車で1編読むと、会社に着くまでの道のりで、その余韻をゆっくり味わえます。
1編ごとに設定ががらりと変わるので、昨日の話の続きを思い出す必要がありません。文庫版には、漫画家の古屋兎丸さんとの対談も収められています。5編を読み終えて続きが読みたくなったら、残りの作品は『ZOO 2』に入っています。
- 著者:乙一
- 5編を収録(文庫版は2分冊の1冊目)
- 古屋兎丸さんとの対談を収録
- 集英社文庫
ZOO 1 (集英社文庫)
03|カクテル、ラブ、ゾンビ|家族がゾンビになったら、という究極の選択
韓国の作家チョ・イェウンさんのデビュー作で、日本では初めて翻訳された作品です。表題作を含む4編を収めた短編集です。
@kengo_bookさんがTikTokで「自分の家族が〝ゾンビ〟になったら」と紹介していたとおり、家族がゾンビになってしまったときの究極の選択を描いた物語を収めた短編集です。ゾンビものの設定を通して、家族という身近な関係を見つめ直す物語を、1編ずつ味わえます。
デビュー短編の「オーバーラップナイフ、ナイフ」は、SFの設定を使った物語で、韓国でドラマにもなりました。4編と収録数が少ないぶん、1編をじっくり読めるので、乗車時間が長めの日に向いています。海外の小説はふだんあまり読まない人も、短編から入ると読みやすいはずです。
- 著者:チョ・イェウン
- 4編を収録した短編集
- 著者のデビュー作、日本初翻訳
カクテル、ラブ、ゾンビ
04|どうしても生きてる(幻冬舎文庫)|朝井リョウが描く、大人の日常の息苦しさ
朝井リョウさんの短編集です。「健やかな論理」「流転」「七分二十四秒目へ」「風が吹いたとて」「そんなの痛いに決まってる」「籤」の6編を収めています。
描かれるのは、仕事や家庭、夢との向き合い方に悩みながら毎日を生きる大人たちです。はっきりとした理由もなく気持ちが沈む日のことや、夢をあきらめて働く人の後ろめたさ。言葉にできなかった日常の息苦しさが、6つの物語の中にすくい取られています。
同じように毎日電車に乗って働いている人ほど、登場人物の気持ちに重なるところがあるはずです。帰りの電車で1編読むと、その日にあったことを少し違う角度から見られるかもしれません。6編なので、1週間の通勤でちょうど読み終えられる分量です。
- 著者:朝井リョウ
- 6編を収録した短編集
- 幻冬舎文庫
どうしても生きてる (幻冬舎文庫)
通勤電車で読む短編集4冊を比較
| 本 | 収録数 | 雰囲気 | 読みたい時間 |
|---|---|---|---|
| 短篇七芒星 | 7編 | 探偵小説・怪談・学園恋愛と話ごとに違う | 朝の通勤で気分を切り替えたいとき |
| ZOO 1 | 5編 | 少し怖くて不思議 | 余韻を味わいたい朝 |
| カクテル、ラブ、ゾンビ | 4編 | 家族とゾンビ、SFも | 乗車時間が長めの日 |
| どうしても生きてる | 6編 | 大人の日常と息苦しさ | 1日を振り返る帰り道 |
よくある質問
短編集は、最初から順番に読んだほうがいいですか?
今回の4冊はどれも1編ずつ独立した物語なので、気になるタイトルから読んでも楽しめます。ただ、収録の順番も編集の工夫の一つなので、迷ったら最初から順に読むのがおすすめです。
『ZOO』は1巻だけ読んでも大丈夫ですか?
『ZOO 1』は、もとの短編集を文庫で2冊に分けたうちの1冊目で、5編それぞれが独立した物語です。1巻だけでも読み切りとして楽しめます。気に入ったら『ZOO 2』で残りの作品も読めます。
朝の通勤に読むなら、どの本が向いていますか?
話ごとに雰囲気が変わる『短篇七芒星』は、朝の気分の切り替えにぴったりです。1日の終わりに静かに読みたいなら、大人の日常を描いた『どうしても生きてる』を帰りの電車で読むのもおすすめです。
まとめ
通勤電車の15〜20分を読書の時間にするなら、1話ずつ区切りよく読める短編集が向いています。話ごとにムードが変わる『短篇七芒星』、少し怖くて不思議な『ZOO 1』、家族とゾンビを描く『カクテル、ラブ、ゾンビ』、大人の日常に寄りそう『どうしても生きてる』。かばんに1冊入れて、明日の朝の電車から読み始めてみましょう。
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